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危険箇所と対処法

危険箇所と対処法
危険箇所と対処法

ご自分で配管洗浄ができるため、コスト、即効性などにより安全で安心な施設に劇的に改善されますが、
その際、何故検出されたのか問題の箇所を見極めて、その箇所を配管洗浄時に除菌洗浄することです。

レジオネラ属菌の危険箇所と対策法

レジオネラ属菌の巣となるバイオフィルムができやすい箇所となります。

  1. バイパス管…ろ過機、熱交換機近辺など、バルブ切り替えで薬剤洗浄。
  2. ろ材…フイルター、麦飯石は取り出して定期的に薬剤で除菌洗浄すること。砂ろ過はろ材が固まって水道ができないようにする。
  3. 水位計…ふたを取り薬剤を投入します。
  4. 連通管…薬剤が通っているか確認。
  5. 貯湯タンク…検査で菌の確認、不明の場合は薬剤洗浄。
  6. オーバーフロータンク…あれば配管洗浄、タンク内水量も計算にいれる。水抜きバルブ開放。
  7. 行き止まり管(メクラ蓋など)…原則廃止、バルブで止まっている箇所は開放し薬剤洗浄。
  8. 気泡装置…必ず作動させて配管洗浄。
  9. アルカリ泉…pH値が高い、塩素剤効き難いため、他の除菌剤で。
  10. 塩素注入器の故障…目詰まりなど、濃度不足により菌発生。
  11. 岩風呂の隙間、タイルの剥がれ、浮き、目地の剥がれなど…内部に停滞水、空洞、空間ができ、バイオフィルムが発生。
  12. 水抜きバルブ…開放し配管内停滞水を抜く、洗浄時も常時も定期的に。ろ過機、ヘアキャッチャー、貯湯タンク近辺の排水バルブ。
  13. 掛け流しでも、藻が発生している露天風呂は要注意。藻の中で菌が増殖するので、まず藻を除去します。

その他、クーリングタワーからの飛散水、ジェット装置エアー吸い込み口周辺、初期水(特に温泉、井戸水使用)の張り込み管、バイブラマットの内部とエアー送風管内部のたまり水、水の流れる玉砂利やスノコなどの付着物
これらについても定期的な洗浄、除菌、水抜き、清掃作業が必要です。

冷却塔(クーリングタワー)の対策

冷却塔(クーリングタワー)の対策

繁殖に適した水温は20℃~50℃で36℃前後が最も成長に適しており、夏場は冷却水の温度が上昇し、レジオネラ属菌が繁殖しやすいので注意が必要です。
レジオネラ属菌に汚染された冷却水は、ファンによって巻き上げられ、エアロゾル(霧のような微細な水滴)となって外部に飛散し、人の気道を介して体内に侵入しレジオネラ症を発病させます。
特に丸型のクーリングタワーは下部から空気を取り入れ上部に放出するので、飛散水量が多くエアロゾルに対する注意が必要です。

レジオネラ症対策

公衆浴場の衛生管理で近年問題となっているのが、レジオネラ症です。
適切な衛生管理を行ってレジオネラ症の発生を予防しましょう。

レジオネラ症について

レジオネラ症は、レジオネラ属菌が原因となって引き起こされる病気で、比較的軽症なポンティアック熱と、肺炎を中心とするレジオネラ肺炎があります。特に問題となるのがレジオネラ肺炎です。

レジオネラ肺炎の症状

  • 高熱、呼吸困難、悪寒、筋肉痛、下痢、意識障害を主な症状とします。
  • 急激に重症になり、死亡することがあります。
  • 乳幼児、高齢者、糖尿病患者、免疫力の低下した人などはかかりやすい傾向にあります。

レジオネラ属菌

  • 自然界の土、川、湖などに生息しています。
  • アメーバのような原虫に寄生したり、他の菌や藻類から栄養を吸収したりして増殖します。
  • 25~43℃で増殖し、特に35~37℃が増殖にもっとも適した温度です。
  • 浴槽や循環配管の内壁などに生物膜(ぬめり)が形成されていると、レジオネラ属菌をはじめとする微生物が増殖します。
  • レジオネラ属菌を含む目に見えないほどの水滴(エアロゾル)を吸い込むことで、感染します。
  • 人から人へ感染することはありません。

レジオネラ症対策

レジオネラ症の発生を予防するためには、浴槽や配管など、レジオネラ属菌が増殖しやすい場所の衛生管理を徹底することが重要です。レジオネラ属菌は生物膜を支持体としているため、生物膜を除去することでレジオネラ属菌の増殖を抑制することができます。

公衆浴場での衛生管理

  • 除菌・換水・清掃などの管理記録をつけましょう。
  • 浴槽中の遊離残留塩素濃度を0.2~0.4mg/ml程度に保ち、かつ1.0mg/mlを超えないように努めることが重要です。
  • 衛生管理が適切に行われているかどうかを確認するために、1年に1回以上はレジオネラ属菌を含めた浴槽水の水質検査を行いましょう。

施設の維持管理ポイント

浴槽
  • 原則毎日完全に換水、清掃しましょう。(完全換水型)
  • 1週間に1回以上は完全換水し、除菌・清掃を行いましょう。(連日使用型)
露天風呂
  • 浴槽を常に満杯の状態に保ち、溢水にして浮遊物を除去しましょう。
  • 露天風呂と内湯との間は配管を通じて混じることのないようにしましょう。
貯湯タンク
  • 貯湯温度を60℃以上に保ち、レジオネラ属菌の繁殖を防ぎましょう。
  • 定期的な清掃と除菌を行いましょう。
ろ過器・循環配管
  • ろ過器は1週間に1回以上、逆洗浄をしましょう。
  • 1週間に1回以上、洗浄および除菌を行いましょう。
ヘアキャッチャー(集毛器)
  • 毎日清掃および洗浄を行いましょう。
除菌装置
  • 注入弁、ノズルをチェックし、目詰まりをおこさないようにしましょう。
  • 薬液タンク内の薬剤をきらさないようにしましょう。
気泡発生装置・ジェット噴射装置
  • 空気取入口から土ぼこりが入らないようにしましょう。
打たせ湯、シャワー
  • 打たせ湯、シャワーはエアロゾルを発生するため、循環水は使用してはいけません。

施設の維持管理ポイント

レジオネラ菌対策 配管洗浄
レジオネラ菌対策 配管洗浄

光明石、トルマリン石がレジオネラ属菌の巣に

ろ過装置のろ材に、多孔質の自然石(光明石、トルマリン石)を使用している温浴施設からレジオネラ菌が検出されたのでどのようにしたらよいか、という相談を受けました。

多孔質の自然石はその表面に微細な穴が多くあって、それがレジオネラ属菌の巣になっている場合が多いので早速その多孔質の石を浴槽より取り出し、検査機関に持ち込みました。

試験方法

ろ過濃縮法0.2μmメンブランフイルターで捕集、自然石(トルマリン石)の内部または凹凸部に付着していると推定される菌を医用遠心分離器、テーブルトップ遠心器5200(久保田製作所製)で常温にて3000rpm/分、20分処理を行った。

試験および結果

検体の仕様:トルマリン石100g、蒸留水150mlを遠心器の1瓶の容量250mlにいれ1回の試験は4検体で行う。
結果:レジオネラ属菌110CFU/400g 水量600ml
24H、37℃で保存後の結果:600CFU/400g 水量600ml
上記のとおり、ろ過装置のろ材、多孔質の自然石(光明石、トルマリン石)にはレジオネラ属菌が付着し菌の巣になっていることが明らかになりました。

トルマリン石だけでなく麦飯石なども同様な恐れがありますので充分滅菌・除菌を行い、かつ定期的に除菌を行って使用しなければならないと思います。
麦飯石は厚生労働省ホームページでもレジオネラ菌の巣になりやすいため使用を薦めていません。

過去に配管洗浄をした直後のレジオネラ検査が陽性であったケース①

アルカリ泉質の温泉を使用している温浴施設の場合で、循環系の配管洗浄をした直後の検査で陽性でした。
普段はかなり残留塩素濃度を高く設定し、アルカリ泉、つまりpH値の高い温泉の弱点である除菌効果が減弱することを計算し、塩素剤を多く注入しているため塩素臭も強く、問題でもあります。
この施設で、3ヶ月に一度「モルキラーMZ」で500ppmでの配管洗浄をしています。
この直後の検査で陽性になったのです。しかも洗浄前は陰性でした。
このような結果は以前にもありました。
現地で調査をしますと、洗浄後の新湯が、貯湯(温泉)タンクより入れていることがわかり、
その貯湯温泉タンクは温度が35度位で、除菌剤も入れていないことが判明しました。
このようなケースの場合、除菌剤を貯湯タンクに入れることを厚労省は指針で示しています。
原因はこのタンクだと思いますが、タンク内の菌が洗浄後の風呂に入り、まだ塩素剤が充分効いていない段階で検体を採取すれば、陽性になるものと思います。

洗浄後で陽性(レジオネラ菌)のケース②

このケースは、浴槽水が水道水で、ろ過器が糸巻きフイルターのろ材です。洗浄後の検査で陽性となりました。
循環洗浄前に、ろ材である糸巻きフイルターを取り出し、ろ過器のふたをして循環洗浄をしました。
洗浄後によく「モルキラーMZ」で洗浄した糸巻きフイルターをろ過器内に戻しました。
このタイプのろ過器は、逆洗が効かないので厚労省も問題であると言っています。
配管洗浄が終わり、排水して、すすぎ洗いをし、新湯を入れ、翌日検体をとりましたが、それが陽性であったのです。
再度振り返って調査をしますと、配管洗浄後の排水の際、配管の先端にバルブがあって、浴槽からバルブのある距離までが5~6mありました。
配管洗浄中はバルブを閉めて行いますから、その間の配水管は一方通行の行き止まり管になっていたわけです。
このような例は時々見られます、現地の地形的問題や、設備工事の際の認識不足があります。
浴槽の底で直に排水の蓋が付いていればいいのですが、目皿などにして配水管の先端でバルブがある場合は、配管構造を変更しなくてはなりません。
行き止まり管はレジオネラ属菌の巣になります。
滞留水となり、バイオフィルムができます。

レジオネラ菌は常在菌(土壌菌)

温泉だけでなく、身近な環境にも注意が必要です。

  1. 冷却塔水
  2. 給湯水…瞬間湯沸し器、電気温水器の貯湯設備、オフィスビルの循環式大型給湯設備
  3. 修景用水…噴水、人口滝、池
  4. 老人介護施設普通風呂、循環式風呂
  5. 家庭用普通風呂、24時間風呂
  6. ジャクジーの風呂、プール水
  7. 雑用水…排水を再利用した水や雨水
  8. 加湿器

レジオネラ属菌発生の仕組み

1.生物膜(バイオフィルム)の形成

1.生物膜(バイオフィルム)の形成
人が入浴するうちに配管素材の静電気力により内壁に垢や皮膚片などの有機物(汚れ)が付着します。
有機物を足がかりに、細菌類が配管内や浴槽内壁などに定着。
その後、細菌は細胞の外(スライム)を放出。このスライムが、「ぬるぬる」。
他の種類の細菌も取り込んで、生物膜は成長。
栄養は捕捉、塩素剤による細菌の攻撃をブロック、成長し、やがてアメーバなどの原生動物が住み着く。
生物膜はいわば細菌の塊なので、汚れ(有機物)が多く、消毒剤(塩素)のない環境ほど形成されます。

2.アメーバとレジオネラ属菌

2.アメーバとレジオネラ属菌
アメーバは、生物膜内で塩素剤の消毒から保護されて生息し、生物膜は微生物が繁殖する環境。
レジオネラ属菌がアメーバに寄生すると、アメーバの体内で増殖し、破壊し水中に放出され、次の宿主に入り再び増殖。人の肺にはマクロファージという、アメーバに似た性質の細胞があり、この細胞は侵入した異物や病原体を取り込み消化しますが、レジオネラ属菌を取り込んでしまうと、アメーバ同様に消化できずに寄生されてしまい、その結果、菌が増加しレジオネラ症を発症。

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