ご自分で配管洗浄ができるため、コスト、即効性などにより安全で安心な施設に劇的に改善されますが、
その際、何故検出されたのか問題の箇所を見極めて、その箇所を配管洗浄時に除菌洗浄することです。
レジオネラ属菌の巣となるバイオフィルムができやすい箇所となります。
その他、クーリングタワーからの飛散水、ジェット装置エアー吸い込み口周辺、初期水(特に温泉、井戸水使用)の張り込み管、バイブラマットの内部とエアー送風管内部のたまり水、水の流れる玉砂利やスノコなどの付着物
これらについても定期的な洗浄、除菌、水抜き、清掃作業が必要です。
繁殖に適した水温は20℃~50℃で36℃前後が最も成長に適しており、夏場は冷却水の温度が上昇し、レジオネラ属菌が繁殖しやすいので注意が必要です。
レジオネラ属菌に汚染された冷却水は、ファンによって巻き上げられ、エアロゾル(霧のような微細な水滴)となって外部に飛散し、人の気道を介して体内に侵入しレジオネラ症を発病させます。
特に丸型のクーリングタワーは下部から空気を取り入れ上部に放出するので、飛散水量が多くエアロゾルに対する注意が必要です。
公衆浴場の衛生管理で近年問題となっているのが、レジオネラ症です。
適切な衛生管理を行ってレジオネラ症の発生を予防しましょう。
レジオネラ症は、レジオネラ属菌が原因となって引き起こされる病気で、比較的軽症なポンティアック熱と、肺炎を中心とするレジオネラ肺炎があります。特に問題となるのがレジオネラ肺炎です。
レジオネラ症の発生を予防するためには、浴槽や配管など、レジオネラ属菌が増殖しやすい場所の衛生管理を徹底することが重要です。レジオネラ属菌は生物膜を支持体としているため、生物膜を除去することでレジオネラ属菌の増殖を抑制することができます。
ろ過装置のろ材に、多孔質の自然石(光明石、トルマリン石)を使用している温浴施設からレジオネラ菌が検出されたのでどのようにしたらよいか、という相談を受けました。
多孔質の自然石はその表面に微細な穴が多くあって、それがレジオネラ属菌の巣になっている場合が多いので早速その多孔質の石を浴槽より取り出し、検査機関に持ち込みました。
ろ過濃縮法0.2μmメンブランフイルターで捕集、自然石(トルマリン石)の内部または凹凸部に付着していると推定される菌を医用遠心分離器、テーブルトップ遠心器5200(久保田製作所製)で常温にて3000rpm/分、20分処理を行った。
検体の仕様:トルマリン石100g、蒸留水150mlを遠心器の1瓶の容量250mlにいれ1回の試験は4検体で行う。
結果:レジオネラ属菌110CFU/400g 水量600ml
24H、37℃で保存後の結果:600CFU/400g 水量600ml
上記のとおり、ろ過装置のろ材、多孔質の自然石(光明石、トルマリン石)にはレジオネラ属菌が付着し菌の巣になっていることが明らかになりました。
トルマリン石だけでなく麦飯石なども同様な恐れがありますので充分滅菌・除菌を行い、かつ定期的に除菌を行って使用しなければならないと思います。
麦飯石は厚生労働省ホームページでもレジオネラ菌の巣になりやすいため使用を薦めていません。
アルカリ泉質の温泉を使用している温浴施設の場合で、循環系の配管洗浄をした直後の検査で陽性でした。
普段はかなり残留塩素濃度を高く設定し、アルカリ泉、つまりpH値の高い温泉の弱点である除菌効果が減弱することを計算し、塩素剤を多く注入しているため塩素臭も強く、問題でもあります。
この施設で、3ヶ月に一度「モルキラーMZ」で500ppmでの配管洗浄をしています。
この直後の検査で陽性になったのです。しかも洗浄前は陰性でした。
このような結果は以前にもありました。
現地で調査をしますと、洗浄後の新湯が、貯湯(温泉)タンクより入れていることがわかり、
その貯湯温泉タンクは温度が35度位で、除菌剤も入れていないことが判明しました。
このようなケースの場合、除菌剤を貯湯タンクに入れることを厚労省は指針で示しています。
原因はこのタンクだと思いますが、タンク内の菌が洗浄後の風呂に入り、まだ塩素剤が充分効いていない段階で検体を採取すれば、陽性になるものと思います。
このケースは、浴槽水が水道水で、ろ過器が糸巻きフイルターのろ材です。洗浄後の検査で陽性となりました。
循環洗浄前に、ろ材である糸巻きフイルターを取り出し、ろ過器のふたをして循環洗浄をしました。
洗浄後によく「モルキラーMZ」で洗浄した糸巻きフイルターをろ過器内に戻しました。
このタイプのろ過器は、逆洗が効かないので厚労省も問題であると言っています。
配管洗浄が終わり、排水して、すすぎ洗いをし、新湯を入れ、翌日検体をとりましたが、それが陽性であったのです。
再度振り返って調査をしますと、配管洗浄後の排水の際、配管の先端にバルブがあって、浴槽からバルブのある距離までが5~6mありました。
配管洗浄中はバルブを閉めて行いますから、その間の配水管は一方通行の行き止まり管になっていたわけです。
このような例は時々見られます、現地の地形的問題や、設備工事の際の認識不足があります。
浴槽の底で直に排水の蓋が付いていればいいのですが、目皿などにして配水管の先端でバルブがある場合は、配管構造を変更しなくてはなりません。
行き止まり管はレジオネラ属菌の巣になります。
滞留水となり、バイオフィルムができます。
温泉だけでなく、身近な環境にも注意が必要です。
1.生物膜(バイオフィルム)の形成
人が入浴するうちに配管素材の静電気力により内壁に垢や皮膚片などの有機物(汚れ)が付着します。
有機物を足がかりに、細菌類が配管内や浴槽内壁などに定着。
その後、細菌は細胞の外(スライム)を放出。このスライムが、「ぬるぬる」。
他の種類の細菌も取り込んで、生物膜は成長。
栄養は捕捉、塩素剤による細菌の攻撃をブロック、成長し、やがてアメーバなどの原生動物が住み着く。
生物膜はいわば細菌の塊なので、汚れ(有機物)が多く、消毒剤(塩素)のない環境ほど形成されます。
2.アメーバとレジオネラ属菌
アメーバは、生物膜内で塩素剤の消毒から保護されて生息し、生物膜は微生物が繁殖する環境。
レジオネラ属菌がアメーバに寄生すると、アメーバの体内で増殖し、破壊し水中に放出され、次の宿主に入り再び増殖。人の肺にはマクロファージという、アメーバに似た性質の細胞があり、この細胞は侵入した異物や病原体を取り込み消化しますが、レジオネラ属菌を取り込んでしまうと、アメーバ同様に消化できずに寄生されてしまい、その結果、菌が増加しレジオネラ症を発症。
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